生物の用語と解説
用語と仕組み。138 語のうち 101〜138 語目です。答えを隠して、問いから答えを思い出してから読むと、覚えやすくなります。
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終止コドンしゅうしこどん
問いUAA・UAG・UGAのように、対応するアミノ酸がなく、翻訳の終わりを示すコドンは?
対応するアミノ酸がなく翻訳の終わりを示すのが終止コドンです。ここにはtRNAではなく終結因子というタンパク質が結合します。
ヒストンひすとん
問い真核生物のDNAが巻きついている、球状のタンパク質は?

真核生物のDNAが巻きつく球状のタンパク質がヒストンです。DNAが巻きついた数珠状の構造をヌクレオソームといいます。
形質転換けいしつてんかん
問い外から取り込んだDNAによって、細胞の形質が変化する現象は?
外から取り込んだDNAで形質が変わる現象が形質転換です。肺炎球菌のR型菌がS型菌に変わる実験で発見されました。
グリフィスぐりふぃす
問い肺炎球菌の実験で、加熱殺菌したS型菌と生きたR型菌を混ぜるとS型菌が現れることを発見したイギリスの研究者は?
加熱殺菌したS型菌と生きたR型菌の混合でS型菌が現れることを発見したのはグリフィスです。
【関連】原因物質がDNAであることは、のちにエイブリーらが示しました。
バクテリオファージばくてりおふぁーじ|ふぁーじ
問い細菌に感染して増殖するウイルスの総称で、ハーシーとチェイスの実験に使われたものは?
細菌に感染するウイルスがバクテリオファージです。T2ファージのDNAだけが菌に入ることから、遺伝子の本体がDNAだと示されました。
【別解】ファージ
シャルガフの規則しゃるがふのきそく|しゃるがふのほうそく
問いどの生物のDNAでも、AとT、GとCの数の割合がそれぞれ等しいという規則は?(人名を含めて)
AとT、GとCの数の割合がそれぞれ等しいという規則がシャルガフの規則です。相補的な塩基対を考える手がかりになりました。
【別解】シャルガフの法則
フレームシフトふれーむしふと
問い塩基の欠失や挿入によって、それより後ろのコドンの読み枠がずれることを何という?

欠失や挿入で後ろのコドンの読み枠がずれるのがフレームシフトです。後ろのアミノ酸配列が大きく変わり、影響が大きくなりやすいです。
鎌状赤血球貧血症かまじょうせっけっきゅうひんけつしょう|かまじょうせっけっきゅうしょう
問いヘモグロビン遺伝子の1塩基の置換でヘモグロビンの性質が変わり、酸素の少ない所で赤血球が変形して起こる病気は?
1塩基の置換でグルタミン酸がバリンに置き換わって起こるのが鎌状赤血球貧血症です。
【別解】鎌状赤血球症
選択的スプライシングせんたくてきすぷらいしんぐ
問い1つの遺伝子から、エキソンのつなぎ方を変えることで複数種類のmRNAをつくるしくみは?

エキソンのつなぎ方を変えて複数のmRNAをつくるのが選択的スプライシングです。遺伝子の数よりタンパク質の種類が多い理由の一つです。
基本転写因子きほんてんしゃいんし
問い真核生物で、RNAポリメラーゼとともにプロモーターに結合し、転写を始めるのに必要なタンパク質群は?
真核生物でRNAポリメラーゼとともにプロモーターに結合するのが基本転写因子です。真核生物ではRNAポリメラーゼだけでは転写を始められません。
体細胞分裂たいさいぼうぶんれつ
問いからだをつくる細胞が増えるときに起こり、分裂の前後で染色体の数が変わらない細胞分裂は?
分裂の前後で染色体数が変わらないのが体細胞分裂です。DNA量はS期に2倍になり、分裂で元に戻ります。
【関連】染色体数が半分になる減数分裂との違いがよく問われます。
前期ぜんき
問い体細胞分裂の分裂期で、染色体が凝縮して太いひも状になり、核膜が消えていく時期は?
染色体が凝縮して太いひも状になり、核膜が消えていくのは前期です。前期→中期→後期→終期の順に進みます。
【関連】観察した細胞の写真から時期を見分ける問題がよく出ます。
終期しゅうき
問い体細胞分裂の分裂期の最後で、染色体がほどけて核膜が再び現れ、細胞質分裂が進む時期は?
染色体がほどけて核膜が再び現れ、細胞質分裂が進むのは終期です。
【関連】各時期の細胞数の割合から、その時期にかかる時間を計算させる問題が定番です。
G2期g2き|じーつーき
問い細胞周期の間期のうち、DNAの複製が終わってから分裂期に入るまでの時期は?(アルファベットと数字を含む名前で)
DNAの複製が終わってから分裂期に入るまでがG2期です。間期はG1期→S期→G2期の順で、G2期の細胞あたりDNA量はG1期の2倍です。
固定こてい
問い体細胞分裂の観察で、細胞を生きていたときに近い状態のまま止めるため、根の先端を酢酸やカルノア液に浸す操作は?
根端を酢酸やカルノア液に浸し、細胞を生きていたときに近い状態で止める操作が固定です。
【関連】固定→解離(希塩酸)→染色→押しつぶしの順で、各操作の目的がよく問われます。
原形質流動げんけいしつりゅうどう|さいぼうしつりゅうどう
問いオオカナダモの葉の細胞で、葉緑体などが細胞の中を一定の方向に流れるように動く現象は?
葉緑体などが細胞内を一定方向に流れるように動くのが原形質流動です。アクチンフィラメントとミオシンの働きで起こり、生きた細胞で観察できます。
【別解】細胞質流動
対物ミクロメーターたいぶつみくろめーたー
問い接眼ミクロメーターの1目盛りの長さを求めるため、ステージにのせて使う、1mmを100等分した目盛りのあるスライドガラスは?
1mmを100等分した目盛りをもつのが対物ミクロメーターで、1目盛りは10μmです。両方の目盛りが重なる2か所から接眼ミクロメーター1目盛りの長さを計算します。
マイクロメートルまいくろめーとる
問い1mmの1000分の1の長さを表す単位は?(カタカナで)
1mmの1000分の1がマイクロメートル(μm)です。細胞の大きさはふつうμmで表し、ヒトの赤血球は直径7〜8μmほどです。
分解能ぶんかいのう
問い顕微鏡で、近くにある2点を2点として見分けられる最小の間隔を何という?
近接した2点を2点として見分けられる最小の間隔が分解能です。光学顕微鏡で約0.2μm、電子顕微鏡で約0.2nmで、どの構造がどちらで見えるかの判断に使います。
ADPadp
問いATPから末端のリン酸が1つ外れてできる物質の略称は?
ATPから末端のリン酸が1つ外れたものがADPです。ATP→ADP+リン酸のときにエネルギーが放出され、呼吸や光合成ではADPからATPがつくられます。
アデニンあでにん
問いATPを構成する塩基は?
ATPの塩基はアデニンです。ATPはアデニン+リボース+リン酸3つからなり、塩基がDNAやRNAと共通している点がポイントです。
カタラーゼかたらーぜ
問い肝臓などに含まれ、過酸化水素を水と酸素に分解する酵素は?
過酸化水素を水と酸素に分解する酵素はカタラーゼです。煮沸した肝臓では気体が発生しません。
【関連】無機触媒の酸化マンガン(IV)と比べる実験が定番です。
酸化マンガン(IV)さんかまんがんよん|さんかまんがん|にさんかまんがん
問い過酸化水素水に加えると、肝臓片と同じく過酸化水素の分解を促進する、黒色の無機触媒は?
過酸化水素の分解を促進する黒色の無機触媒は酸化マンガン(IV)です。無機触媒は加熱しても働きを失わず、酵素との違いを実験結果から考察させます。
【別解】酸化マンガン/二酸化マンガン
水みず
問い光合成で放出される酸素の原子は、もとは何という物質に由来するか。(物質名で)
光合成で放出される酸素は水に由来します。ルーベンが酸素の同位体を使って示しました。二酸化炭素由来ではない点がよく問われます。
ピルビン酸ぴるびんさん
問い解糖系で、グルコース1分子から2分子できる炭素数3の化合物は?
解糖系でグルコース1分子から2分子できるC3化合物はピルビン酸です。酸素があればクエン酸回路へ、なければ発酵で乳酸やエタノールになります。
呼吸商こきゅうしょう
問い呼吸で放出された二酸化炭素の体積を、吸収された酸素の体積で割った値は?
放出CO2の体積÷吸収O2の体積が呼吸商です。炭水化物は1.0、タンパク質は約0.8、脂肪は約0.7で、値から呼吸基質を推定する問題が出ます。
Rf値rfち|あーるえふち|いどうりつ|rf
問いペーパークロマトグラフィーで、原点から色素のスポットまでの距離を、原点から溶媒前線までの距離で割った値は?
原点からスポットまでの距離÷原点から溶媒前線までの距離がRf値です。色素ごとにほぼ一定なので、色素の種類の判定に使います。
【別解】移動率/Rf
カロテンかろてん|かろちん
問い光合成色素をペーパークロマトグラフィーで分けたとき、溶媒前線の近くまで最もよく移動する橙色の色素は?
溶媒前線の近くまで最もよく移動する橙色の色素はカロテンです。クロロフィルやキサントフィルより上に来るため、Rf値から色素を判定させる問題が出ます。
CAM植物camしょくぶつ|かむしょくぶつ
問いベンケイソウやサボテンのように、夜に気孔を開いてCO2を取り込み、昼は気孔を閉じて光合成を行う植物は?
夜に気孔を開いてCO2を取り込み、昼は気孔を閉じて光合成するのがCAM植物です。乾燥地で水の損失を防ぐ適応です。
【関連】C4植物との比較で、CO2を固定する時間と場所の違いが問われます。
RNArna
問い糖としてリボースをもち、ふつう1本鎖で、塩基にウラシルを含む核酸の略称は?
糖がリボース、ふつう1本鎖、塩基にウラシルを含む核酸がRNA(リボ核酸)です。DNAとの違い(糖・塩基・本数)を表で整理しておきましょう。
水素結合すいそけつごう
問いDNAの2本鎖で、向かい合う相補的な塩基どうしを結びつけている結合は?
DNAの相補的な塩基どうしは水素結合で結びついています。AとTは2本、GとCは3本で、ここが切れて2本鎖がほどけ、複製や転写が始まります。
発現はつげん
問い遺伝子の情報をもとにタンパク質などがつくられ、働くようになることを「遺伝子の〇〇」という。〇〇に入る漢字2字は?
遺伝子の情報からタンパク質などがつくられ働くことを遺伝子の発現といいます。どの細胞も同じ遺伝子をもちますが、発現する遺伝子の違いで分化が起こります。
だ腺染色体だせんせんしょくたい|だえきせんせんしょくたい
問いユスリカやショウジョウバエの幼虫のだ腺にある、ふつうの染色体の100倍以上も大きい染色体は?
ユスリカやショウジョウバエの幼虫のだ腺にある巨大な染色体がだ腺染色体です。観察しやすく、パフの位置の変化から遺伝子発現の変化がわかります。
【別解】唾液腺染色体
パフぱふ
問いだ腺染色体で、遺伝子の転写が盛んに行われて膨らんでいる部分は?
だ腺染色体で転写が盛んに行われて膨らんだ部分がパフです。発生の時期によって位置が変わり、ピロニンでRNAが赤く染まることが転写の証拠になります。
リーディング鎖りーでぃんぐさ
問いDNAの複製で、二重らせんがほどけていく方向と同じ向きに、連続的に合成される新しい鎖は?
ほどける方向と同じ向きに連続的に合成される鎖がリーディング鎖です。合成が5'→3'方向に限られることが鍵です。
【関連】反対側は岡崎フラグメントをつないでつくるラギング鎖です。
置換ちかん|えんきちかん
問い突然変異のうち、DNAの1つの塩基が別の塩基に置き換わるものは?
1つの塩基が別の塩基に置き換わる突然変異が置換です。アミノ酸1個が変わるだけのことが多く、欠失や挿入は読み枠がずれて影響が大きくなりやすいです。
【別解】塩基置換
同義置換どうぎちかん|さいれんとへんい|さいれんととつぜんへんい
問い塩基が置換してもコドンが同じアミノ酸を指定するため、アミノ酸配列が変わらない置換は?
塩基が置換してもアミノ酸配列が変わらないのが同義置換です。コドンの3番目の塩基で起こりやすく、形質に影響しにくいため中立説の考察で問われます。
【別解】サイレント変異/サイレント突然変異
20種類20しゅるい|にじゅっしゅるい|にじっしゅるい
問いタンパク質を構成するアミノ酸は、ふつう何種類か。(「〜種類」まで答える)
タンパク質を構成するアミノ酸はふつう20種類です。64種類のコドンで20種類を指定するため、1つのアミノ酸に複数のコドンがあることが多いです。