漢文の用語と解説
句法と重要語。150 語のうち 1〜50 語目です。答えを隠して、問いから答えを思い出してから読むと、覚えやすくなります。
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レ点れてん
問い返り点のうち、すぐ下の一字から一字だけ返って読むことを示す符号は?

レ点は、すぐ下の一字から一字だけ上へ返って読むことを示します。
【関連】二字以上離れて返るときは一二点を使います。
一二点いちにてん
問い二字以上離れた上の字に返って読むことを示す返り点は?

一二点は、「一」の付いた字を読んでから、二字以上離れた「二」の字へ返ることを示します。
【関連】一二点をはさんでさらに返るときは上下点を使います。
書き下し文かきくだしぶん|よみくだしぶん
問い漢文を日本語の語順に直し、漢字仮名交じりで書いた文を何という?

書き下し文は、訓読の順に漢字仮名交じりで書いた文です。送り仮名は歴史的仮名遣いのひらがなで書きます。
【別解】読み下し文
【関連】助詞・助動詞にあたる字(不・可・使など)はひらがなに直すのが原則です。
置き字おきじ
問い「而」「於」「矣」のように、訓読するときに読まない字を何という?

置き字は訓読では読みませんが、接続(而)・場所や比較(於)・文末の断定(矣)などの働きを添えます。
再読文字さいどくもじ
問い「未」「将」「当」のように、一字を二度読む字を何という?
再読文字は一字を二度読む字で、一度目は副詞として、二度目は助動詞や動詞として読みます。
【関連】二度目の読みは書き下し文ではひらがなで書きます。
訓読くんどく
問い漢文に返り点や送り仮名を付けて、日本語として読むことを何という?
訓読は、返り点や送り仮名を付けて漢文を日本語の文として読む方法です。古くから日本で用いられてきました。
使役しえき
問い「使」「令」「遣」「教」を使って「〜させる」と表す句法は?

使役は「使・令・遣・教」を用い、「AをしてBしむ」(AにBさせる)の形が基本です。
受身うけみ
問い「見」「被」「為〜所…」などで「〜される」と表す句法は?

受身は「見・被」を「る・らる」と読む形や、「為A所B」(AのBする所と為る)の形で表します。
反語はんご
問い「豈に〜んや」のように、疑問の形で強く打ち消す句法は?

反語は疑問の形で強く打ち消す句法で、「どうして〜だろうか、いや〜ない」と訳します。
【関連】文末が「〜んや」となることが多く、疑問の「〜や」と区別します。
未だいまだ
問い「未」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?

再読文字「未」は「未だ〜ず」と読み、「まだ〜ない」の意味です。一度目は「いまだ」です。
ず
問い「未」を再読文字として読むとき、二度目に読む打消の助動詞は?

「未だ〜ず」の二度目は打消の助動詞「ず」です。助動詞なので書き下し文ではひらがなで書きます。
将にまさに
問い「将」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?
再読文字「将」は「将に〜んとす」と読み、「今にも〜しようとする」の意味です。
当にまさに
問い「当」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?
再読文字「当」は「当に〜べし」と読み、「当然〜すべきだ」の意味です。
【関連】「応に〜べし」は「きっと〜だろう」と推量の意味になります。
知らずしらず
問い「不知」を書き下すと?
「不」は打消の助動詞「ず」と読み、活用語の未然形に付きます。「知」の未然形「知ら」+「ず」です。
非ずあらず
問い否定の字「非」を送り仮名付きで読むと?(「〜ではない」の意)
「非」は「あらず」と読み、名詞などを打ち消して「〜ではない」の意味を表します。
【関連】存在を打ち消す「無(なし)」との違いを押さえておきます。
無しなし
問い否定の字「無」を送り仮名付きで読むと?(「〜がない」の意)
「無」は「なし」と読み、存在を打ち消して「〜がない」の意味を表します。
【関連】「莫」「毋」「勿」も「なし」と読むことがあります。
何ぞなんぞ
問い「何」を「どうして」の意味で読むと?(送り仮名付きで)
「何ぞ」は「なんぞ」と読み、「何ぞ〜や」の形で理由を問う疑問や反語になります。
上下点じょうげてん
問い一二点をはさんで、さらに上に返って読むときに使う返り点は?

上下点は、一二点をはさんでさらに上へ返るときに使う返り点です。
【関連】上下点でも足りないときは甲乙点を使います。
抑揚よくよう|よくようけい
問い「A且B、況C乎」のように、軽いものを挙げて重いものを強調する句法は?

抑揚は「Aすら且つB、況んやCをや」の形で、「Aでさえ〜だ、ましてCはなおさらだ」と強調します。
【別解】抑揚形
詠嘆えいたん
問い「嗚呼」「哉」「矣」などで感動を表す句法は?
詠嘆は「嗚呼」「哉」「矣」などで感動を表す句法で、「〜だなあ」と訳すことが多いです。
す
問い「将に〜んと□」の□に入る、再読文字「将」の二度目の読みは?

「将に〜んとす」の二度目は「す」です。「将に去らんとす」のように未然形+「んとす」の形になります。
応にまさに
問い「応」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?
再読文字「応」は「応に〜べし」と読み、「きっと〜だろう」という推量を表します。
宜しくよろしく
問い「宜」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?
再読文字「宜」は「宜しく〜べし」と読み、「〜するのがよい」という意味です。
須らくすべからく
問い「須」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?
再読文字「須」は「須らく〜べし」と読み、「ぜひ〜する必要がある」の意味です。「すべて」と訳さないよう注意します。
言ふ勿かれいふなかれ
問い「勿言」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「勿」は禁止で「〜なかれ」と読み、「言ってはいけない」の意味です。「言ふ」は歴史的仮名遣いです。
毋かれなかれ
問い禁止を表す「毋」を送り仮名付きで読むと?
「毋」は「なかれ」と読み、「〜するな」という禁止を表します。
【関連】「勿」「莫」「無」も禁止では同じく「なかれ」と読みます。
得ずえず
問い「不得」を書き下すと?
「不得」は「得ず」と読み、「〜できない」という不可能を表します。「得」の未然形は「え」です。
安くんぞいづくんぞ
問い「安」を反語「どうして」の意味で読むと?(歴史的仮名遣いで)
「安くんぞ」は「いづくんぞ」と読み、「安くんぞ〜ん(や)」で反語を表します。
【関連】「焉・悪」も「いづくんぞ」と読みます。
豈にあに
問い反語の副詞「豈」の読みは?(送り仮名付きで)
「豈」は「あに」と読み、「豈に〜んや」で「どうして〜だろうか、いや〜ない」と反語を表します。
誰かたれか|だれか
問い「誰」を漢文で読むと?(送り仮名付きで)
漢文では「誰」を濁らずに「たれ」と読みます。「誰か〜ん」で反語にもなります。
不可べからず
問い「不可」の読みは?
「不可」は「べからず」と読み、「〜してはいけない」「〜できない」を表します。「べし」の打消です。
返読文字へんどくもじ
問い「不」「無」「有」のように、下の語から必ず返って読む字を何という?
返読文字は、下の語から必ず返って読む字です。否定・可能・存在などを表す字に多く見られます。
【関連】不・無・有のほか、非・可・難・易・多・少・所なども返読文字です。
累加るいか
問い「不唯〜」「非独〜」のように「〜だけでなく…も」と付け加える句法は?

累加は「不唯〜」「非独〜」などで、限定を打ち消して「〜だけでなく…も」と付け加える句法です。
且にまさに
問い「且」を「将」と同じ再読文字として読むとき、一度目の読みは?(送り仮名付きで)
再読文字の「且」は「まさに〜んとす」と読み、「将」と同じ読み方・意味になります。
猶ほなほ
問い「猶」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?(歴史的仮名遣いで)

再読文字「猶」は「猶ほ〜のごとし」と読み、「ちょうど〜のようだ」の意味です。一度目は「なほ」です。
ごとし
問い「猶」を再読文字として読むとき、二度目の読みは?

「猶ほ〜のごとし」の二度目は比況の助動詞「ごとし」です。書き下し文ではひらがなで書きます。
盍ぞなんぞ
問い「盍」を再読文字として読むとき、一度目の読みは?
再読文字「盍」は「盍ぞ〜ざる」と読み、「どうして〜しないのか、〜したらどうか」の意味です。
ざる
問い「盍」を再読文字として読むとき、二度目の読みは?

「盍」は「何不」を一字にした字なので、打消「ず」の連体形「ざる」で結び、「盍ぞ〜ざる」となります。
未だ知らずいまだしらず
問い「未知」を書き下すと?

「未知」は「未だ知らず」で「まだ知らない」の意味です。「ず」は未然形「知ら」に付きます。
知らざるは無ししらざるはなし|しらざるなし
問い「無不知」を書き下すと?

「無不知」は二重否定で「知らざるは無し」と読み、「知らないものはない(皆知っている)」の意味です。
【別解】知らざる無し
知らざるに非ずしらざるにあらず
問い「非不知」を書き下すと?
「非不知」は二重否定で「知らざるに非ず」と読み、「知らないのではない」の意味です。
敢へて言はずあへていはず
問い「不敢言」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「不敢言」は「敢へて言はず」と読み、「進んで言おうとはしない」の意味です。歴史的仮名遣いに注意します。
孰れかいづれか
問い「孰」を「どちらが」の意味で読むと?(歴史的仮名遣いで)
「孰れか」は「いづれか」と読み、「どちらが」と比較・選択を問います。
【関連】文脈によっては「たれか(誰が)」と読むこともあります。
何為れぞなんすれぞ
問い「何為」を「どうして」の意味で読むと?
「何為れぞ」は「なんすれぞ」と読み、「どうして」と理由を問います。
【関連】「何為」を「なにをかなす(何をするのか)」と読む場合もあるので文脈で判断します。
如何いかん
問い方法・処置を問う「如何」の読みは?
「如何」は「いかん」と読み、「どうしたらよいか」と方法・処置を問います。
【関連】状態を問う「何如(いかん)」と区別して覚えておきます。
幾何いくばく
問い数量・程度を問う「幾何」の読みは?
「幾何」は「いくばく」と読み、「どれくらい」と数量・程度を問います。数学の「きか」とは別の読みです。
何如いかん
問い状態・程度を問う「何如」の読みは?
「何如」は「いかん」と読み、「どうであるか」と状態・程度を問います。
【関連】方法・処置を問う「如何(いかん)」と区別します。
能はずあたはず
問い不可能を表す「不能」の読みは?(歴史的仮名遣いで)
「不能」は「能はず」と読み、「〜する能はず」で「〜できない」の意味です。歴史的仮名遣いで「あたはず」です。
由ほなほ
問い「猶」と同じ読み方・意味をもつ再読文字「由」の、一度目の読みは?(歴史的仮名遣いで)
「由」は「猶」と同じく比況の再読文字として使われ、「由ほ〜のごとし」と読みます。
将に去らんとすまさにさらんとす
問い「将去」を書き下すと?

「将去」は「将に去らんとす」と読み、「今にも去ろうとする」の意味です。