漢文の用語と解説
句法と重要語。150 語のうち 51〜100 語目です。答えを隠して、問いから答えを思い出してから読むと、覚えやすくなります。
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当に学ぶべしまさにまなぶべし
問い「当学」を書き下すと?
「当学」は「当に学ぶべし」と読み、「当然学ぶべきだ」の意味です。「べし」は終止形に付きます。
応に知るべしまさにしるべし
問い「応知」を書き下すと?
「応知」は「応に知るべし」と読み、「きっと知っているだろう」という推量の意味です。
宜しく帰るべしよろしくかへるべし
問い「宜帰」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「宜帰」は「宜しく帰るべし」と読み、「帰るのがよい」の意味です。「帰る」は歴史的仮名遣いで「かへる」です。
須らく読むべしすべからくよむべし
問い「須読」を書き下すと?
「須読」は「須らく読むべし」と読み、「ぜひ読む必要がある」の意味です。
学ばざるべからずまなばざるべからず
問い「不可不学」を書き下すと?

「不可不学」は二重否定で「学ばざるべからず」と読み、「学ばないわけにはいかない(ぜひ学ぶべきだ)」の意味です。
常には有らずつねにはあらず
問い「不常有」を書き下すと?

「不常有」は部分否定で「常には有らず」と読み、「いつもあるとは限らない」の意味です。「は」が入るのが要点です。
【関連】全部否定「常不有」は「常に有らず(いつもない)」です。
之を如何せんこれをいかんせん
問い「如之何」を書き下すと?
「如之何」は「之を如何せん」と読み、「これをどうしようか」の意味です。目的語は「如」と「何」の間にはさみます。
奈何せんいかんせん
問い「奈何」を「どうしようか」の意味で読むと?
「奈何せん」は「いかんせん」と読み、「如何せん」と同じく処置に困る気持ちを表します。
豈に知らんやあにしらんや
問い「豈知」を反語として書き下すと?
「豈知」は「豈に知らんや」と読み、「どうして知っていようか、いや知らない」という反語です。
誰か知らんたれかしらん|だれかしらん
問い「誰知」を反語として書き下すと?
「誰知」は「誰か知らん」と読み、「誰が知っていようか、いや誰も知らない」という反語です。
猶ほ鏡のごとしなほかがみのごとし
問い「猶鏡」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「猶鏡」は「猶ほ鏡のごとし」と読み、「ちょうど鏡のようだ」の意味です。名詞には「の」を付けて「ごとし」に続けます。
盍ぞ帰らざるなんぞかへらざる
問い「盍帰」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「盍帰」は「盍ぞ帰らざる」と読み、「どうして帰らないのか(帰ったらどうか)」と勧める意味です。
且に死せんとすまさにしせんとす
問い「且死」を再読文字を使って書き下すと?
「且死」は「且に死せんとす」と読み、「今にも死にそうだ」の意味です。「死す」はサ変なので未然形は「死せ」です。
泣かざる能はずなかざるあたはず
問い「不能不泣」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「不能不泣」は二重否定で「泣かざる能はず」と読み、「泣かずにはいられない」の意味です。
敢へて走らざらんやあへてはしらざらんや
問い「敢不走」を反語として書き下すと?
「敢不走」は反語で「敢へて走らざらんや」と読み、「どうして走らないことがあろうか、いや必ず走る」の意味です。
常に言はずつねにいはず
問い「常不言」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「常不言」は全部否定で「常に言はず」と読み、「いつも言わない」の意味です。
【関連】部分否定「不常言」は「常には言はず(いつも言うとは限らない)」です。
復た来たらずまたきたらず
問い「不復来」を書き下すと?(「来」は「きたる」と読む)
「不復来」は「復た来たらず」と読み、「二度とは来ない」の意味です。部分否定の形として扱われます。
【関連】語順が逆の「復不来」は「今度もまた来ない」の意味になります。
必ずしも賢ならずかならずしもけんならず
問い「不必賢」を書き下すと?
「不必賢」は部分否定で「必ずしも賢ならず」と読み、「賢いとは限らない」の意味です。
【関連】「必不賢」は全部否定で「必ず賢ならず(きっと賢くない)」です。
安くにか在るいづくにかある
問い「安在」を場所を問う疑問として書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「安在」は「安くにか在る」と読み、「どこにあるのか」と場所を問う疑問です。「いづくにか」と読みます。
何ぞやなんぞや
問い文末の「何也」の読みは?
文末の「何也」は「何ぞや」と読み、「どうしてか」と理由を問います。
未だ嘗ていまだかつて
問い「未嘗」の読みは?
「未嘗」は「未だ嘗て」と読み、「未だ嘗て〜ず」で「今まで一度も〜したことがない」の意味です。
ずんばあらず
問い「未嘗不A」「不敢不A」の書き下しで、Aの未然形のあとに共通して続く読みは?
「未嘗不A」「不敢不A」はAの未然形に「ずんばあらず」を付けます。「未だ嘗てAずんばあらず」は「これまでAしなかったことはない」の意味です。
として
問い「無人不知」のような「無A不B」の形で、Aのあとに付けて読む送り仮名は?
「無A不B」はAに「として」を付け、「人として知らざるは無し」(知らない人は誰もいない)と読みます。
倶には生きずともにはいきず
問い「不倶生」を書き下すと?
「不倶生」は部分否定で「倶には生きず」と読み、「両方がともに生きることはない」の意味です。
為さずなさず
問い「弗為」を書き下すと?
「弗」は「不」と同じく打消の「ず」と読み、「弗為」は「為さず」となります。
行かざるを得ずゆかざるをえず
問い「不得不行」を書き下すと?(「行」は「ゆく」と読む)
「不得不行」は二重否定で「行かざるを得ず」と読み、「行かないわけにはいかない」の意味です。
悪くんぞいづくんぞ
問い「悪」を「にくむ」の意味ではなく、反語「どうして」の意味で読むと?(歴史的仮名遣いで)
反語の「悪くんぞ」は「いづくんぞ」と読み、「どうして」の意味です。
【関連】「悪」は「にくむ」「いづくにか」「ああ」とも読む多義の字です。
匪ずあらず
問い「匪」を否定の字として送り仮名付きで読むと?
「匪ず」は「あらず」と読み、「非」と同じく「〜ではない」と打ち消します。
甚だしくは多からずはなはだしくはおほからず
問い「不甚多」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「不甚多」は部分否定で「甚だしくは多からず」と読み、「それほど多くはない」の意味です。
学ばずんば知らずまなばずんばしらず
問い「不学不知」を仮定の意味を含めて書き下すと?
「不学不知」は「学ばずんば知らず」と読み、「学ばなければ知ることはない」の意味です。「ずんば」は打消の仮定です。
何の謂ひぞやなんのいひぞや
問い「何謂也」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「何謂也」は「何の謂ひぞや」と読み、「どういう意味か」と問う形です。
豈に惜しからずやあにをしからずや
問い「豈不惜哉」を詠嘆として書き下すと?(歴史的仮名遣いで)
「豈不惜哉」は詠嘆で「豈に惜しからずや」と読み、「なんと惜しいことではないか」の意味です。
孰与いづれぞ
問い「A孰与B」(AとBとではどちらが〜か)の「孰与」の読みは?(歴史的仮名遣いで)
「A孰与B」は「AはBに孰与ぞ(いづれぞ)」と読み、「AはBと比べてどうか」と問います。Bのほうが上だという含みをもつことが多い形です。
送り仮名おくりがな
問い漢字の右下に小さく付けて、活用語尾や助詞・助動詞などを補うかなを何という?

送り仮名は漢字の右下に付けるかなで、活用語尾や助詞・助動詞を補い、漢文を日本語の文として読めるようにします。
返り点かえりてん
問いレ点・一二点・上下点など、漢字を読む順番を示す符号をまとめて何という?
返り点は、漢字を読む順番を示す符号の総称です。日本語の語順に直すため、下の字から上の字へ返る印になります。
白文はくぶん
問い返り点や送り仮名などを付けていない、漢字だけで書かれた漢文を何という?

白文は、返り点や送り仮名を付けていない漢字だけの漢文です。中国の原文はこの形です。
【関連】訓点を付けると訓読文になります。
片仮名かたかな
問い訓読文で漢字の右下に付ける送り仮名は、何の文字で書くのが決まりか。(文字の種類で)
訓読文の送り仮名は片仮名で書きます。書き下し文にするときは平仮名に直します。
左下ひだりした
問い訓読文で、返り点は漢字のどの位置に付ける?(「右上」のように二つの方向で)
返り点は漢字の左下、送り仮名は右下に付けます。位置をセットで覚えておきます。
歴史的仮名遣いれきしてきかなづかい
問い送り仮名や書き下し文のかなは、現代仮名遣いではなく何という仮名遣いで書く?
送り仮名や書き下し文のかなは歴史的仮名遣いで書きます。「言ふ」「思ふ」のように古文と同じ書き方です。
平仮名ひらがな
問い書き下し文にするとき、助詞・助動詞にあたる字(「不」「也」「之(の)」など)は何の文字で書く?(文字の種類で)
書き下し文では、助詞・助動詞にあたる字を平仮名で書きます。「不」は「ず」、「也」は「なり」とします。
一レ点いちれてん
問いレ点で下の字から一字返ったあと、さらに二点の字へ返ることを示す返り点は?

一レ点は、レ点で一字返ったあと、一点から二点の字へ返ることを示します。レ点を先に処理します。
訓点くんてん
問い返り点・送り仮名・句読点など、訓読のために漢文に付ける符号や仮名をまとめて何という?
訓点は、返り点・送り仮名・句読点など訓読のために付ける符号や仮名の総称です。
【関連】訓点を付けた漢文を訓読文と呼びます。
目的語もくてきご
問い「読書」は「書を読む」と返って読む。漢文で動詞のあとに置かれる「書」のような語を、文の成分で何という?(「〜語」の形で)
「書」は動詞「読」の目的語です。漢文は英語に近く「動詞+目的語」の順なので、返り点で返って読みます。
甲乙点こうおつてん
問い上下点をはさんで、さらに上に返って読むときに使う返り点は?

甲乙点は、上下点をはさんでさらに上へ返るときに使います。一二点→上下点→甲乙点の順に外側へ広げます。
助字じょじ|きょじ
問い「於」「也」「乎」「矣」のように、それだけでは実質的な意味をもたず、文法的な働きをする字を何という?(「〜字」の形で)
助字は「於・也・乎・矣」など、実質的な意味をもたず文法的な働きをする字です。
【別解】虚字
【関連】読まない助字は特に置き字と呼びます。
ハイフンはいふん
問い「登高」のような二字の熟語にまとめて返って読むとき、二字の間に付ける短い線は一般に何と呼ばれる?(カタカナで)
二字の熟語にまとめて返るときは、「登-高」のように二字の間にハイフンを付け、二字をまとめて返り点で返ります。
上レ点じょうれてん
問いレ点で下の字から一字返ったあと、さらに下点の字へ返ることを示す返り点は?

上レ点は、レ点で一字返ったあと、さらに下点の字へ返ることを示します。一レ点と同じ考え方です。
天地人点てんちじんてん|てんちてん
問い甲乙点でも足りないときに、その外側でさらに返って読むために使う返り点は?
天地人点は、甲乙点でも足りないときに外側で使う返り点です。一二→上下→甲乙→天地人の順に広げます。
【別解】天地点
学びて時に之を習ふまなびてときにこれをならふ|まなびてときにこれをならう
問い『論語』の「学而時習之」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)

「学而時習之」は「学びて時に之を習ふ」と読みます。「而」は置き字で、前の「学」に「て」を送ってつなぎます。
故きを温めて新しきを知るふるきをあたためてあたらしきをしる|ふるきをたづねてあたらしきをしる|ふるきをたずねてあたらしきをしる
問い『論語』の「温故而知新」を書き下すと?

「温故而知新」は「故きを温めて新しきを知る」と読みます。四字熟語「温故知新」のもとです。
【別解】故きを温ねて新しきを知る