漢文の用語と解説

句法と重要語。150 語のうち 101〜150 語目です。答えを隠して、問いから答えを思い出してから読むと、覚えやすくなります。

この問題集をタイピングで解く

良薬は口に苦しりょうやくはくちににがし

問い「良薬苦於口」を書き下すと?

良薬は口に苦し
「良薬苦於口」は「良薬は口に苦し」と読みます。「於」は置き字で、読まずに「口」に「に」を送ります。

否定ひてい

問い「不」「非」「無」などで「〜ない」と打ち消す句法は?

否定は「不・非・無」などで「〜ない」と打ち消す句法です。「不」は動詞などを、「非」は名詞などを打ち消します。

限定げんてい

問い「唯」「独」「耳」などで「ただ〜だけ」と範囲をしぼる句法は?

限定
限定は「唯・独・耳」などで「ただ〜だけ」と範囲をしぼる句法です。文頭の「唯だ」と文末の「のみ」が組になりやすい形です。

疑問ぎもん

問い「誰か」「何ぞ」などで答えを求めて問いかける句法は?(反語ではないもの)

疑問は「誰か・何ぞ」などで答えを求めて問う句法です。同じ字でも、打ち消しの意味を込めると反語になります。

比較ひかく

問い「AはBに如かず」「A於B(BよりもA)」のように、二つのものを比べる句法は?

比較は二つのものを比べる句法です。「如かず」は「及ばない」、置き字「於」による比較は「より」と読みます。

仮定かてい

問い「如し」「苟も」「縦ひ」などで「もし〜ならば」「たとえ〜でも」と条件を設ける句法は?

仮定は条件を設ける句法です。順接は「もし〜ば」、逆接は「たとひ〜とも」の形をとります。

願望がんぼう

問い「願はくは」「請ふ」などで「どうか〜してほしい」と望む句法は?

願望は「願はくは・請ふ」などで望みを表す句法です。相手への望みは命令形、自分の望みは「ん」で結びます。

禁止きんし

問い「勿」「莫」「毋」などを「なかれ」と読んで「〜するな」と表す句法は?

禁止は「勿・莫・毋」などを「なかれ」と命令の形で読み、「〜するな」と表す句法です。

二重否定にじゅうひてい

問い「無不〜」「非不〜」のように否定を二つ重ねて、強い肯定を表す句法は?

二重否定は否定を二つ重ねて強い肯定を表す句法です。「知らざるは無し」は「皆知っている」の意味になります。

選択せんたく

問い「寧ろAすとも、Bする無かれ」「与其A、寧B」のように、二つのうち一方を選ぶ句法は?

選択は二つのうち一方を選ぶ句法で、「AよりはむしろB」と、よいほうを選ぶ形をとります。

部分否定ぶぶんひてい

問い「不常〜」「不必〜」のように否定の字が副詞の上にあり、「いつも〜とは限らない」などとなる否定は?

部分否定
部分否定は、否定の字が副詞の上にある形です。副詞に「は」を付けて「常には〜ず」と読むのが目印です。 【関連】副詞が否定の字の上にあれば全部否定です。

全部否定ぜんぶひてい|ぜんたいひてい

問い「常不〜」のように副詞が否定の字の上にあり、すべてを打ち消す否定を何という?(「〜否定」の形で)

全部否定
全部否定は、副詞が否定の字の上にある形です。「常に〜ず」で「いつも〜しない」となり、部分否定と語順が逆です。 【別解】全体否定

比況ひきょう

問い「猶ほ〜のごとし」「〜の如し」のように「ちょうど〜のようだ」とたとえる句法は?

比況は「猶・如・若」を使い、助動詞「ごとし」で結んで「ちょうど〜のようだ」とたとえる句法です。

や

問い「安くんぞ知らん□」のように反語の文末に付けて読む、ひらがな1字の助詞は?

反語の文末は「〜ん(や)」と推量の「ん」で結び、「や」を付けることが多い形です。

何を以てなにをもって|なにをもつて

問い「どうして」「何によって」と理由や手段を問う「何以」の読みは?

「何以」は「何を以て」と読み、「どうして・何によって」と理由や手段を問います。「何を以て〜ん」で反語になることもあります。

何ぞ必ずしも利を曰はんなんぞかならずしもりをいはん|なんぞかならずしもりをいわん

問い『孟子』の「何必曰利」を反語として書き下すと?(歴史的仮名遣いで)

「何必曰利」は「何ぞ必ずしも利を曰はん」と読み、「どうして利益のことばかり言う必要があろうか」という反語です。

何為る者ぞなんするものぞ

問い鴻門の会で項王が樊噲に問うた「何為者」を書き下すと?

「何為者」は「何為る者ぞ(なんする者ぞ)」と読み、「何をする者か」の意味です。理由を問う「何為れぞ」とは別の用法です。

寧くんぞいづくんぞ|いずくんぞ

問い陳勝の言葉「王侯将相寧有種乎」で、反語を表す「寧」の読みは?

反語の「寧くんぞ」は「いづくんぞ」と読みます。「王侯将相寧くんぞ種有らんや」は陳勝の言葉です。 【関連】選択の「寧ろ(むしろ)」とは別の用法です。

歳月は人を待たずさいげつはひとをまたず

問い陶淵明の「歳月不待人」を書き下すと?

「歳月不待人」は「歳月は人を待たず」と読み、「年月は人を待ってくれない」という意味です。

未曾有みぞう|みぞうう

問い「未だ曾て有らず」と読む三字の熟語「未曾有」の読みは?

「未曾有」は「みぞう」と読み、「未だ曾て有らず(これまで一度もなかった)」から来た語です。

人に施すこと勿かれひとにほどこすことなかれ

問い『論語』の「己所不欲、勿施於人」の後半「勿施於人」を書き下すと?

「勿施於人」は「人に施すこと勿かれ」と読みます。前半と合わせて「自分の望まないことは人にするな」という禁止です。

貴と無く賤と無くきとなくせんとなく

問い韓愈「師説」の「無貴無賤」を書き下すと?

「無A無B」は「AとなくBとなく」と読み、「無貴無賤」は「身分の高い低いに関係なく」の意味です。

過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとしすぎたるはなほおよばざるがごとし|すぎたるはなおおよばざるがごとし

問い『論語』の「過猶不及」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)

「過猶不及」は「過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし」と読みます。活用語には「が」を付けて「ごとし」に続けます。

句読点くとうてん

問い漢文で、文の区切りに付ける「、」と「。」をまとめて何という?(漢字3字)

句読点は文の区切りに付ける「、」「。」です。白文に句読点・返り点・送り仮名を付けて訓読し、区切り方で意味が変わります。

書を読むしょをよむ

問い「読書」を書き下すと?

「読書」は「書を読む」と読みます。漢文は「動詞+目的語」の順なので、目的語に「を」を送って返って読みます。

志有りこころざしあり

問い返読文字「有」を使った「有志」を書き下すと?

「有志」は「志有り」と読みます。「有」「無」は下から返って読む返読文字で、返り点の付け方の問題でよく問われます。

朋有り遠方より来たるともありえんぽうよりきたる|ともえんぽうよりきたるあり|とものえんぽうよりきたるあり

問い『論語』の「有朋自遠方来」を書き下すと?

朋有り遠方より来たる
「有朋自遠方来」は「朋有り遠方より来たる」と読みます。「自」は起点を表す「より」です。 【別解】朋遠方より来たる有り/朋の遠方より来たる有り

こと

問い訓読文で、片仮名の「コ」と「ト」を合わせて一字にした合字「ヿ」は何と読む?

「ヿ」は片仮名の「コ」と「ト」を合わせた合字で、「こと」と読みます。送り仮名でよく使われます。

疑問詞ぎもんし

問い「誰」「何」「安」「孰」など、疑問や反語の文で問いの中心になる語を何という?(漢字3字)

疑問詞は「誰・何・安・孰」など問いの中心になる語です。疑問か反語かは文末で決まり、「〜ん(や)」なら反語です。

べし

問い再読文字「当」「応」「宜」「須」に共通する、二度目の読みは?(ひらがな2字)

べし
再読文字「当・応・宜・須」の二度目はいずれも助動詞「べし」です。一度目の読みと意味の違いで区別します。

まだ

問い「未だ〜ず」を現代語訳すると「(  )〜ない」となる。(  )に入るひらがな2字は?

「未だ〜ず」は「まだ〜ない」と訳します。単なる打消の「不(〜ない)」との違いが訳で問われます。

いまにも

問い「将に〜んとす」は「(  )〜しようとする」と訳す。(  )に入るひらがな4字は?

「将に〜んとす」は「今にも〜しようとする」と訳し、差し迫った様子を表します。「且」も同じ訳になります。

とうぜん

問い「当に〜べし」は「(  )〜すべきだ」と訳す。(  )に入るひらがな4字は?

「当に〜べし」は「当然〜すべきだ」と訳し、当然・義務を表します。推量の「応(きっと〜だろう)」と区別します。

きっと

問い推量の再読文字「応に〜べし」は「(  )〜だろう」と訳す。(  )に入るひらがな3字は?

「応に〜べし」は「きっと〜だろう」と推量を表します。同じ「まさに〜べし」でも「当」は当然で、字によって訳を変えます。

ぜひ

問い「須らく〜べし」は「(  )〜する必要がある」と訳す。(  )に入るひらがな2字は?

「須らく〜べし」は「ぜひ〜する必要がある」と訳し、必要を表します。「すべて」の意味ではありません。

よい

問い「宜しく〜べし」は「〜するのが(  )」と訳す。(  )に入るひらがな2字は?

「宜しく〜べし」は「〜するのがよい」と訳し、適当・勧めを表します。「当」の「〜すべきだ」より柔らかい言い方です。

ちょうど

問い「猶ほ〜のごとし」は「(  )〜のようだ」と訳す。(  )に入るひらがな4字は?

「猶ほ〜のごとし」は「ちょうど〜のようだ」と訳す比況です。たとえの内容を読み取る手がかりになります。

知らざる者しらざるもの

問い「不知者」を書き下すと?(「不」を打消の助動詞の連体形で読む)

「不知者」は「知らざる者」と読みます。「不」は下に体言が続くと連体形「ざる」になり、「知らない人」の意味です。

かぎらない

問い部分否定「常には〜ず」は「いつも〜とは(  )」と訳す。(  )に入る言葉は?(ひらがなで)

部分否定「常には〜ず」は「いつも〜とは限らない」と訳します。全部否定「常に〜ず(いつも〜しない)」との違いが定番です。

礼に非ざれば視ること勿かれれいにあらざればみることなかれ

問い『論語』の「非礼勿視」を書き下すと?

「非礼勿視」は「礼に非ざれば視ること勿かれ」と読みます。「非ざれば」は「〜でなければ」、「勿かれ」は禁止です。

勝げて数ふべからずあげてかぞふべからず|あげてかぞうべからず

問い「不可勝数」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)

「不可勝数」は「勝げて数ふべからず」と読み、「数えきれないほど多い」の意味です。「勝」を「あげて」と読むのが要点です。

至らざる所無しいたらざるところなし

問い「無所不至」を書き下すと?

至らざる所無し
「無所不至」は二重否定で「至らざる所無し」と読み、「至らない所はない(どこへでも行く・何でもする)」の意味です。

未だ必ずしも然らずいまだかならずしもしからず

問い「未必然」を書き下すと?

「未必然」は「未だ必ずしも然らず」と読み、「必ずしもそうとは限らない」という部分否定です。「未」を再読します。

以て楽を為す無しもってがくをなすなし|もつてたのしみをなすなし|もつてがくをなすなし|もってたのしみをなすなし|もってがくをなすことなし|もってたのしみをなすことなし|もってらくをなすなし

問い鴻門の会で項荘が言った「軍中無以為楽」の「無以為楽」を書き下すと?

「無以為楽」は「以て楽を為す無し」と読み、「無以〜」で「〜する手段がない」の意味です。「楽」は音楽・余興の「がく」と読む本が多いです。 【別解】以て楽しみを為す無し/以て楽を為すこと無し

焉くんぞいづくんぞ|いずくんぞ

問い「焉」を「安」と同じく反語「どうして」の意味で読むと?(歴史的仮名遣いで)

反語の「焉くんぞ」は「いづくんぞ」と読み、「安」と同じく「どうして」の意味です。 【関連】「焉」は文末の置き字にもなる多義の字です。

胡ぞ帰らざるなんぞかへらざる|なんぞかえらざる

問い陶淵明「帰去来辞」の「田園将蕪胡不帰」の「胡不帰」を書き下すと?(歴史的仮名遣いで)

「胡不帰」は「胡ぞ帰らざる」と読み、「どうして帰らないのか」と自分に呼びかける表現です。 【関連】「胡」「奚」「曷」も「なんぞ」と読みます。

独り心に愧ぢざらんやひとりこころにはぢざらんや|ひとりこころにはじざらんや

問い項羽の言葉「籍独不愧於心乎」の「独不愧於心乎」を反語として書き下すと?(歴史的仮名遣いで)

「独不愧於心乎」は「独り心に愧ぢざらんや」と読む反語で、「どうして恥じないことがあろうか」の意味です。限定の「独り」と見分けます。

何遽ぞなんぞにはかに|なんぞにわかに|なんぞ

問い塞翁が馬の話の「此何遽不為福乎」で、「何遽」の読みは?(歴史的仮名遣いで)

「何遽」は二字で「なんぞにはかに」とも「なんぞ」とも読み、「どうして〜だろうか」という反語を表します。

連体形れんたいけい

問い疑問の「何ぞ〜や」で、文末の「や」の直前の活用語は何形になる?

疑問「何ぞ〜や」では、「や」の直前は連体形です。反語は推量「ん」+「や」となり、文末の形で見分けます。

む

問い反語「豈に知らんや」の「ん」は、推量の助動詞。古文の助動詞の終止形で言うと何?(ひらがな1字)

反語の文末「〜んや」の「ん」は推量の助動詞「む」です。「〜だろうか、いや〜ない」と訳します。