現代文(語彙)の用語と解説

評論・小説の語彙。249 語のうち 201〜249 語目です。答えを隠して、問いから答えを思い出してから読むと、覚えやすくなります。

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アフォリズムあふぉりずむ

問い人生や社会の真理を、短く鋭い言葉で言い表したもの(警句・箴言)。芥川龍之介『侏儒の言葉』やニーチェの著作の文体として知られるものをカタカナ語で何という?

人生や社会の真理を、短く鋭い言葉で言い表したもので、「警句」「箴言」と訳されます。 【関連】評論の冒頭に引用されることもあります。

シニフィアンしにふぃあん

問いソシュールの言語学で、記号のうち「音声や文字」として表す側を何という?(フランス語由来のカタカナで)

記号のうち、音声や文字として表す側で、「意味するもの」と訳されます。 【関連】表される意味の側は「シニフィエ」です。

シニフィエしにふぃえ

問いソシュールの言語学で、記号のうち音声や文字によって「表される意味・概念」の側を何という?(フランス語由来のカタカナで)

記号のうち、音声や文字によって表される意味・概念の側で、「意味されるもの」と訳されます。 【関連】ソシュールは、シニフィアンとシニフィエの結びつきは恣意的だと考えました。

パノプティコンぱのぷてぃこん|ぱのぷちこん

問いベンサムが考案した、中央の塔から全ての独房を見渡せる監獄で、フーコーが近代の規律権力のモデルとしたものをカタカナ語で何という?

中央の塔から全独房を見渡せる監獄で、「一望監視施設」と訳されます。 【別解】パノプチコン 【関連】見られているかもしれないという意識が、人を従わせる仕組みです。

物象化ぶっしょうか

問い人と人との社会的な関係が、物と物との関係のように見えてしまうことを、マルクスが論じルカーチが発展させた用語で何という?(漢字三字で「〜化」の形)

人と人との社会的な関係が、物と物との関係のように見えてしまうことです。 【関連】商品や貨幣がそれ自体に価値をもつと思い込むのは「物神崇拝」で、その元になる仕組みが物象化です。

間主観性かんしゅかんせい

問い複数の主観の間で、共通のものとして成り立っていることを、フッサールの用語で何という?(漢字四字で)

複数の主観の間で、共通のものとして成り立っていることです。「相互主観性」とも訳されます。 【関連】フッサールは、客観性は間主観性から成り立つと考えました。

想像の共同体そうぞうのきょうどうたい

問い国民(ネーション)は、会ったこともない人々を仲間だと思い描くことで成り立っているとした、ベネディクト・アンダーソンの言葉は?(「〇〇の〇〇〇」の形で)

国民は、会ったこともない人々を仲間と思い描くことで成り立つ、という考えです。 【関連】アンダーソンは、出版物の普及が国民という意識を生んだと論じました。

他者たしゃ

問い評論で「自己」と対になり、自分とは異なる考えや感じ方をもち、思いどおりにならない存在を漢字二字で何という?(「〜理解」「〜性」の形で使う。「他人」より抽象的な語)

自分とは異なる考えや感じ方をもち、思いどおりにならない存在で、「自己」と対になります。 【関連】共通テストの評論では「他者との出会いで自己が問い直される」という論の流れがよく出ます。

直喩ちょくゆ|めいゆ

問い「〜のように」「〜のような」を使って、二つのものを直接たとえる比喩を漢字二字で何という?

「〜のように」「〜のような」を使い、二つのものを直接たとえる比喩です。 【別解】明喩 【関連】小説の表現を問う設問では、隠喩(メタファー)との区別がよく問われます。

擬人法ぎじんほう|ぎじんか

問い人間でないものを人間に見立てて、「花が笑う」「風がささやく」のように表す表現技法を漢字三字で何という?

人間でないものを人間に見立てて表す技法です。「花が笑う」「風がささやく」が例です。 【別解】擬人化 【関連】詩や小説の表現の効果を問う設問で、選択肢の言葉としてよく出ます。

伏線ふくせん

問い物語で、後の展開に備えて前もってそれとなく示しておく事柄を漢字二字で何という?(「〜を回収する」の形で使う)

後の展開に備えて、前もってそれとなく示しておく事柄です。 【関連】小説の構成を問う設問では、前の場面の描写が後の出来事の伏線になっているかがポイントです。

秩序ちつじょ

問い物事の正しい順序やきまりが保たれている状態を漢字二字で何という?(「混沌」の対義語)

物事の正しい順序やきまりが保たれている状態です。 【関連】評論では「秩序/混沌」の対比で、近代社会や文化のあり方が論じられます。

境界きょうかい

問いある物事と他の物事とを区切るさかいを漢字二字で何という?(「〜線」「〜を越える」の形で使う)

ある物事と他の物事とを区切るさかいです。 【関連】評論では、自然と文化、自己と他者の「境界」があいまいになる、という論がよく出ます。

アルゴリズムあるごりずむ

問い問題を解くための手順を、コンピューターで実行できるように形式化したものをカタカナ語で何という?

問題を解く手順を、コンピューターで実行できるよう形式化したものです。 【関連】AI や情報社会をテーマにした評論・実用文でよく出る語です。

倒置法とうちほう

問い文の普通の語順を入れかえて、強調などの効果をねらう表現技法を漢字三字で何という?

普通の語順を入れかえて、強調などの効果をねらう技法です。「行こう、海へ。」のような形です。 【関連】詩や小説の表現の効果を問う設問で出ます。

体言止めたいげんどめ

問い文や句を名詞で終えて、余韻を残す表現技法を何という?(「〜止め」の形で)

文や句を名詞(体言)で終えて、余韻を残す技法です。 【関連】詩歌や小説の表現の特徴として問われます。

擬音語ぎおんご|ぎせいご

問い物音や動物の鳴き声をまねて表した語(「ワンワン」「ドンドン」など)を漢字三字で何という?

物音や動物の鳴き声をまねて表した語です。 【別解】擬声語 【関連】様子を表す「擬態語」と区別してください。

擬態語ぎたいご

問い音を出さない物事の状態や様子を、「きらきら」「にやにや」のように表した語を漢字三字で何という?

音を出さない物事の状態や様子を、「きらきら」「にやにや」のように表した語です。 【関連】音をまねた「擬音語」と区別してください。小説の表現の特徴として問われます。

回想かいそう

問い小説などで、過去の出来事を思い返すこと、またその場面を差し挟むことを漢字二字で何という?(「〜場面」「〜シーン」の形で使う)

過去の出来事を思い返すこと、またその場面を差し挟むことです。 【関連】共通テストの小説では、いまの場面と回想の場面の切りかわりを読み取ることが大切です。

ノスタルジーのすたるじー|のすたるじあ

問い過ぎ去った時代や故郷をなつかしく思う気持ち(郷愁)をカタカナ語で何という?

過ぎ去った時代や故郷をなつかしく思う気持ち(郷愁)です。 【別解】ノスタルジア 【関連】小説の心情を表す語として、選択肢によく出ます。

コンテクストこんてくすと|こんてきすと

問い文章の前後のつながりや、言葉が置かれた背景(文脈)を、英語由来のカタカナ語で何という?

文章の前後のつながりや、言葉が置かれた背景(文脈)です。 【別解】コンテキスト 【関連】評論では「文脈によって意味が変わる」という論でよく出ます。

無意識むいしき

問い本人が意識していない心の領域を、精神分析学のフロイトが重視した語で何という?(漢字三字)

本人が意識していない心の領域で、フロイトが重視した概念です。 【関連】評論では、人の行動が無意識に左右される、という論でよく使われます。

持続可能性じぞくかのうせい

問い将来の世代の必要を損なわずに、いまの世代の必要を満たせる性質を漢字五字で何という?(カタカナ語では「サステナビリティ」)

将来の世代の必要を損なわずに、いまの世代の必要を満たせる性質です。 【関連】環境をテーマにした評論や、資料を読む実用的な文章でよく出る語です。

固有こゆう

問いそのものだけが、もとから備えていることを漢字二字で何という?(「〜名詞」「日本〜の文化」の形で使う)

そのものだけが、もとから備えていることです。 【関連】評論では「固有の文化」が本当にあるのか、と問い直す論がよく出ます。

対句ついく

問い語の並べ方が同じで、意味が対応する二つの句を並べる表現技法を漢字二字で何という?

語の並べ方が同じで、意味が対応する二つの句を並べる技法です。「山は高く、海は深い」のような形です。 【関連】漢詩でも重要な技法です。

パロディぱろでぃ|ぱろでぃー

問い有名な作品を模倣して、滑稽にしたり風刺したりする作品をカタカナ語で何という?(語末を伸ばさない表記で)

有名な作品を模倣して、滑稽にしたり風刺したりする作品です。 【関連】元の作品を知っていることが前提の表現で、オリジナルとコピーを論じる評論で出ます。

個人主義こじんしゅぎ

問い個人の自由や権利を、集団や国家の利益よりも重んじる考え方を漢字四字で何という?(「集団主義」と対比される)

個人の自由や権利を、集団や国家の利益より重んじる考え方です。 【関連】「利己主義(エゴイズム)」とは別の語です。近代の特徴として評論でよく出ます。

共同体きょうどうたい

問い地域や血縁で結びつき、生活をともにする人々の集まりを漢字三字で何という?(「村落〜」「〜の崩壊」の形で使う)

地域や血縁で結びつき、生活をともにする人々の集まりです。カタカナ語では「コミュニティ」です。 【関連】近代化で共同体が崩れた、という論は評論の定番です。

語り手かたりて

問い小説で物語を語る存在で、読解では作者とは区別して考えるものを何という?(「〜手」の形で)

小説で物語を語る存在で、読解では作者と区別して考えます。 【関連】共通テストの小説では、語り手の視点から表現の効果を問われることが多くあります。

大衆社会たいしゅうしゃかい

問い大量の均質な人々が、政治や文化の主な担い手となった近代以降の社会を漢字四字で何という?

均質な大量の人々が、政治や文化の主な担い手となった近代以降の社会です。 【関連】マスメディアの発達と結びつけ、個人が埋没するという論の流れで語られることが多い語です。

生命倫理せいめいりんり

問い医療や生命科学の発達で生まれた、生命をめぐる倫理的な問題を考える学問を漢字四字で何という?(「バイオエシックス」の訳語)

医療や生命科学の発達で生まれた、生命をめぐる倫理的な問題を考える学問です。 【関連】臓器移植や遺伝子操作などをテーマにした評論で出ます。

インフォームド・コンセントいんふぉーむどこんせんと

問い医師が治療について十分に説明し、患者が理解・納得したうえで同意することをカタカナ語で何という?

医師が治療を十分に説明し、患者が納得したうえで同意することで、「説明と同意」と訳されます。 【関連】医師が一方的に決めるパターナリズムへの反省から広がりました。

越境えっきょう

問い国や地域、学問分野などの境界を越えて行き来することを漢字二字で何という?

国や地域、学問分野などの境界を越えて行き来することです。 【関連】評論では「越境する文化」のように、境界を相対化する文脈で使われます。

ハイブリッドはいぶりっど

問い二つ以上の異なる要素が混じり合って生まれたもの(雑種)を表すカタカナ語は?(「〜な文化」「〜車」の形で使う)

異なる要素が混じり合って生まれたもの(雑種)です。 【関連】評論では「純粋な文化などなく、文化はみな雑種だ」という論で使われます。

定量的ていりょうてき

問い物事を数値や数量で表してとらえるさまを何という?(「〜的」の形で。「定性的」と対比される)

物事を数値や数量で表してとらえるさまです。性質で表すのは「定性的」です。 【関連】資料やグラフを読む実用的な文章で出る語です。

観念論かんねんろん

問い世界の根本は物質ではなく精神や意識であるとする哲学の立場を漢字三字で何という?(カントやヘーゲルらの「ドイツ〜」の形でも使う)

世界の根本は物質ではなく精神や意識であるとする立場です。「唯物論」と対比されます。 【関連】「観念的」は、頭の中だけで現実ばなれしたさまを表します。

合理論ごうりろん

問い確実な知識の源は感覚による経験ではなく理性にあるとする、デカルトらの立場を漢字三字で何という?(「大陸〜」の形でも使う)

確実な知識の源は経験ではなく理性にあるとする、デカルトらの立場です。 【関連】ロックらイギリスの「経験論」と対比されます。

目的論もくてきろん

問い物事は、ある目的に向かって生じたり存在したりしていると説明する考え方を漢字三字で何という?(「機械論」と対比される)

物事はある目的に向かって生じ、存在していると説明する考え方です。 【関連】アリストテレスに代表される見方で、近代科学は機械論によってこれを退けました。

宿命論しゅくめいろん

問い人間の運命はあらかじめ定められていて、人の力では変えられないとする考え方を漢字三字で何という?(「宿」の字を使う)

人間の運命はあらかじめ定められ、人の力では変えられないとする考え方です。 【関連】因果関係によって決まるとする「決定論」とは区別されます。

監視社会かんししゃかい

問い人々の行動や情報が常に見張られ、記録・管理される社会を漢字四字で何という?

人々の行動や情報が常に見張られ、記録・管理される社会です。 【関連】フーコーのパノプティコンや、監視カメラ・ネットの履歴をめぐる評論で出ます。

文化相対主義ぶんかそうたいしゅぎ

問い異なる文化を自分の文化の基準で判断せず、それぞれの文化に固有の価値を認める考え方を漢字六字で何という?

異なる文化を自文化の基準で判断せず、それぞれ固有の価値を認める考え方です。 【関連】自民族中心主義(エスノセントリズム)と対比される、評論の基本の対立です。

テクストてくすと

問い作者の意図から切り離され、読者によってさまざまに読まれうるものとしての文章を、評論でカタカナ語で何という?(英語の text に由来し、「テキ」ではない表記で)

作者の意図から切り離され、読者がさまざまに読みうるものとしての文章です。 【関連】バルトの「作者の死」と結びつけて論じられ、読者が意味をつくると考えます。

多元主義たげんしゅぎ

問い一つの考え方や価値だけを正しいとせず、多くの立場や価値観の共存を認める考え方を漢字四字で何という?(「〜主義」の形で)

一つの価値だけを正しいとせず、多くの立場や価値観の共存を認める考え方です。 【関連】一つの原理で説明する「一元論」と対になります。

換喩かんゆ

問いあるものを、それと関係の深い別のもので表す比喩(「鍋を食べる」「永田町の意向」など)を漢字二字で何という?

あるものを、それと関係の深い別のもので表す比喩です。「メトニミー」とも言います。 【関連】似ていることにもとづく隠喩と違い、つながりにもとづく比喩です。

反証可能性はんしょうかのうせい

問い科学の理論は、観察や実験によって誤りだと示されうるものでなければならないとした、ポパーの考え方を漢字五字で何という?

科学の理論は、観察や実験で誤りと示されうるものでなければならない、とするポパーの考え方です。 【関連】科学と疑似科学を分ける基準として、科学論の評論で出ます。

リスク社会りすくしゃかい

問い近代化が生み出した環境破壊や原発事故などの危険が、社会全体に広がる社会を、ドイツの社会学者ベックの言葉で何という?(「〇〇〇社会」の形で、前半はカタカナ)

近代化が生んだ環境破壊や原発事故などの危険が、社会全体に広がる社会です。 【関連】ベックは、豊かさではなく危険の分配が問題になる社会だと論じました。

公共圏こうきょうけん

問い市民が自由に議論し、世論を形づくる場を、ハーバーマスの用語で何という?(漢字三字で「公共〜」の形)

市民が自由に議論し、世論を形づくる場を表すハーバーマスの用語です。 【関連】18世紀のカフェやサロンでの議論がもとになったと論じられます。

異化いか

問い見慣れたものを、ふだんとは違う見方で見慣れないものとして描き、新鮮に感じさせる手法を、ロシア・フォルマリズムの用語で漢字二字で何という?

見慣れたものを、見慣れないものとして描いて新鮮に感じさせる手法です。 【関連】シクロフスキーの用語で、文学の言葉の働きを論じる評論で出ることがあります。

社会構築主義しゃかいこうちくしゅぎ

問い男女の役割や「国民」などの区別は、自然に存在するのではなく社会の中で作られたものだとする考え方を漢字六字で何という?(「構築」を含む)

男女の役割や「国民」などの区別は、社会の中で作られたものだとする考え方です。 【関連】評論では、当たり前とされている区別を問い直す立場としてよく出ます。