古文なぞなぞの用語と解説

古文で書いたなぞなぞ・クイズ。200 語のうち 1〜50 語目です。答えを隠して、問いから答えを思い出してから読むと、覚えやすくなります。

この問題集をタイピングで解く

富士山ふじさん

問いやまとの国に山あまたあれど、もつとも高きは、するがの国なる山なり。いかなる名ぞ。

【現代語訳】日本に山はたくさんあるけれど、いちばん高いのは、駿河の国にある山だ。何という名前か。 【ことば】やまとの国=日本/あまた=たくさん/あれど=あるけれど/もつとも=いちばん(「もっとも」と読む)/するがの国=今の静岡県の東部/なる=〜にある(場所を表す「なり」)/いかなる=どのような 【ひとこと】高さは3776m。『竹取物語』の終わりでは、多くの兵士(士)を連れて登ったから「ふじの山」と名付けた、と語られているよ。

東京都とうきょうと|とうきょう

問い今の世、日の本にて人のもつとも多く住むところはいづこぞ。むかしは江戸といひけり。

【現代語訳】今の時代、日本で人がいちばん多く住んでいるところはどこか。昔は江戸といった。 【ことば】今の世=今の時代/日の本=日本/にて=〜で/人の=人が(「の」は主語を表す)/いづこ=どこ/いひけり=言った(「けり」は過去) 【ひとこと】東京都には日本の人口の1割ほどが住んでいるよ。江戸時代の江戸も、世界有数の大きな町だったんだ。

ジンベエザメじんべえざめ|じんべいざめ

問いあめのしたの海に住むいをの中に、もつとも大きなるはいづれぞ。

【現代語訳】世界の海にすむ魚の中で、いちばん大きいのはどれか。 【ことば】あめのした(天の下)=世の中・世界/いを=魚(「うを」とも)/大きなる(おほきなる)=大きい(「大きなり」の連体形)/いづれ=どれ 【ひとこと】ジンベエザメは大きいもので体長12m以上。サメの仲間だけれど、小さなプランクトンなどを食べるおとなしい魚だよ。

ラフレシアらふれしあ

問いあめのしたの花の中に、ひとつの花にてもつとも大きなるはいづれぞ。いと臭き香を放つとなむ。

【現代語訳】世界の花の中で、一つの花としていちばん大きいのはどれか。とてもくさいにおいを出すということだ。 【ことば】あめのした=世界/にて=〜として/いづれ=どれ/いと=とても/香(か)=におい/となむ=〜ということだ(「なむ」の後の「言ふ」が省かれた形) 【ひとこと】ラフレシアは東南アジアの森にさく花で、直径1m近くになるものもあるよ。くさったようなにおいでハエを呼ぶんだ。

海王星かいおうせい

問い日のまはりをめぐる八つの星の中に、日よりもつとも遠く、青く見ゆるはいづれぞ。

【現代語訳】太陽のまわりを回る八つの星(惑星)の中で、太陽からいちばん遠く、青く見えるのはどれか。 【ことば】日=太陽/まはり=まわり(歴史的仮名遣い)/めぐる=回る/遠く(とほく)=遠く/見ゆる=見える(「見ゆ」の連体形)/いづれ=どれ 【ひとこと】冥王星は2006年に惑星から外されたので、今は海王星がいちばん外側の惑星だよ。

キリンきりん

問いけだものの中に、首のもつとも長きはいづれぞ。高き木の葉をもはむめり。

【現代語訳】動物の中で、首がいちばん長いのはどれか。高い木の葉も食べるようだ。 【ことば】けだもの=けもの・動物/首の=首が(「の」は主語)/長き=長い/はむ=食べる/めり=〜ようだ(見て推しはかる助動詞) 【ひとこと】キリンの首の骨は7個で、じつは人間と同じ数。一つ一つの骨がとても長いんだよ。

ゾウぞう

問い鼻のいと長くて、くがに住むけだものの中にもつとも大きなるは何ぞ。

【現代語訳】鼻がとても長くて、陸にすむ動物の中でいちばん大きいのは何か。 【ことば】いと=とても/くが(陸)=陸地/けだもの=動物/大きなる(おほきなる)=大きい/何ぞ=何か 【ひとこと】アフリカゾウは陸の動物でいちばん大きく、体重が6tをこえることもあるよ。長い鼻で水を吸ったり物をつかんだりするんだ。

ホタルほたる

問い夏の夜、闇の中をほのかに光りつつ飛びかふ虫は何ぞ。

【現代語訳】夏の夜、暗やみの中をかすかに光りながら飛びかう虫は何か。 【ことば】闇(やみ)=暗やみ/ほのかに=かすかに/つつ=〜ながら/飛びかふ=あちこち飛び回る(歴史的仮名遣い)/何ぞ=何か 【ひとこと】『枕草子』の「夏は夜」の段にも、たくさん飛びかう姿がえがかれているよ。光っても熱くならない「冷たい光」なんだ。

カラスからす

問い夕暮れに、かあかあと鳴きつつ寝どころへ急ぐ、羽の黒き鳥は何ぞ。

【現代語訳】夕暮れに、かあかあと鳴きながらねぐらへ急ぐ、羽の黒い鳥は何か。 【ことば】夕暮れ=夕方/つつ=〜ながら/寝どころ=ねぐら/黒き=黒い/何ぞ=何か 【ひとこと】『枕草子』の「秋は夕暮れ」には、ねぐらへ急ぐこの鳥のすがたが出てくるよ。人の顔を覚えるほど頭のよい鳥なんだ。

筆ふで

問い墨にひたして、紙に歌など書きつくるものは何ぞ。けものの毛して作れり。

【現代語訳】墨にひたして、紙に和歌などを書きつけるものは何か。けものの毛で作ってある。 【ことば】ひたす=液にしずめる/歌=和歌/書きつくる=書きつける(「書きつく」の連体形)/して=〜で(道具を表す)/作れり=作ってある(「り」は存続) 【ひとこと】筆の毛には、ヤギやウマ、タヌキなどの毛が使われるよ。書き初めでも使うね。

箸はし|おはし

問い二本を手に持ち、いひをはさみて口へ運ぶ具は何ぞ。

【現代語訳】二本を手に持ち、ご飯をはさんで口へ運ぶ道具は何か。 【ことば】いひ(飯)=ご飯/はさみて=はさんで/具(ぐ)=道具/何ぞ=何か 【ひとこと】箸を使って食事をするのは、日本・中国・韓国など東アジアの国々。日本では箸を横向きに置くのがふつうだよ。

こたつ

問い冬の寒き夜、衾をうち掛けて足をさし入れ、身をあたたむる四つ足の台は何ぞ。

【現代語訳】冬の寒い夜、かけぶとんをさっと掛けて足をさし入れ、体を温める四本足の台は何か。 【ことば】衾(ふすま)=かけぶとん/うち掛けて=さっと掛けて(「うち」は語調を整える)/さし入れ=さし入れて/身=体/あたたむる=温める(「あたたむ」の連体形) 【ひとこと】昔のこたつは炭火の上にやぐらを置き、ふとんをかけて使ったよ。今は電気で温めるものがほとんどなんだ。

櫛くし

問い歯はあれども口はなし。女君の黒髪をけづるものは何ぞ。

【現代語訳】歯はあるけれど口はない。姫君の黒髪をとかすものは何か。 【ことば】あれども=あるけれども/なし=ない/女君(をんなぎみ)=身分の高い女性/けづる(梳る)=髪をとかす/何ぞ=何か 【ひとこと】くしの細かく分かれたところを「歯」というよ。平安の女性は、床につくほど長い黒髪を大切にしたんだ。

人間にんげん|ひと

問いあしたには四つの足、ひるには二つ、ゆふべには三つの足にて歩むものあり。これ何ぞ。

【現代語訳】朝は四本の足、昼は二本、夕方は三本の足で歩くものがある。これは何か。 【ことば】あした=朝(「明日」ではない)/ゆふべ=夕方/にて=〜で/歩む=歩く/これ何ぞ=これは何か 【ひとこと】ギリシャ神話でスフィンクスが出したなぞなぞ。赤ちゃんのはいはい、大人の二本足、杖をついたお年寄りを、一日にたとえているんだ。

フライパンふらいぱん

問い火にかけて物を炒るに用ゐれど、名に「パン」とありながら、食ふべくもあらぬものは何ぞ。

【現代語訳】火にかけて物をいためるのに使うけれど、名前に「パン」とあるのに、とても食べられないものは何か。 【ことば】炒る(いる)=いためる/用ゐれど=使うけれど(「用ゐる」は歴史的仮名遣い)/ながら=〜のに/食ふ=食べる/べくもあらぬ=〜できそうもない(「ぬ」は打ち消し) 【ひとこと】「パンはパンでも食べられないパンは?」という定番のなぞなぞ。英語のフライ(fry)は「油でいためる・あげる」という意味だよ。

香川県かがわけん|かがわ

問い今の世の都・道・府・県の中に、もつとも狭きはいづこぞ。いにしへは讃岐の国とぞいひける。

【現代語訳】今の都道府県の中で、いちばんせまいのはどこか。昔は讃岐の国といった。 【ことば】今の世=今の時代/狭き=せまい/いづこ=どこ/いにしへ=昔/ぞ〜ける=係り結び(「ぞ」を受けて、過去の「けり」が連体形「ける」になる) 【ひとこと】讃岐は平安時代の書物にも出てくる古い国の名前。讃岐うどんが名物で、1988年までは大阪府がいちばんせまかったんだ。

水星すいせい

問い日をめぐる八つの星の中に、日にもつとも近く、また、もつとも小さきはいづれぞ。

【現代語訳】太陽のまわりを回る八つの星(惑星)の中で、太陽にいちばん近く、しかもいちばん小さいのはどれか。 【ことば】日=太陽/めぐる=まわりを回る/近く=近く/また=そのうえ/小さき(ちひさき)=小さい/いづれ=どれ 【ひとこと】水星は太陽系でいちばん小さい惑星。昼はとても熱く、夜はとても冷えるんだ。

マリアナ海溝まりあなかいこう

問いあめのしたの海の底に、細く長く、もつとも深き溝(みぞ)あり。その名をば何とかいふ。

【現代語訳】世界の海の底に、細長くていちばん深いみぞがある。その名前を何というか。 【ことば】あめのした=世界/深き=深い/溝=ここでは海の底の細長く深いくぼみ(海溝)/をば=〜を(強め)/何とかいふ=何というか(「か」を受けて文末が連体形「いふ」になる係り結び) 【ひとこと】マリアナ海溝は太平洋の西にあり、いちばん深いところ(チャレンジャー海淵)は約1万900m。富士山を2つ重ねても、まだずっと深いんだ。

木星もくせい

問い日をめぐる八つの星の中に、もつとも大きなるはいづれぞ。赤き渦のごときもの見ゆとなむ。

【現代語訳】太陽のまわりを回る八つの星(惑星)の中で、いちばん大きいのはどれか。赤いうずのようなものが見えるということだ。 【ことば】日=太陽/めぐる=まわりを回る/大きなる=大きい/ごとき=〜のような/見ゆ=見える/となむ=〜ということだ(「なむ」の後の「言ふ」が省かれた形) 【ひとこと】木星の直径は地球の約11倍。ガスでできた惑星で、「大赤斑」という大きな赤いうずが有名だよ。

チーターちーたー

問いくがを走るけだものの中に、もつとも疾きはいづれぞ。黒き斑(まだら)ある身なり。

【現代語訳】陸を走る動物の中で、いちばん速いのはどれか。黒いまだらもようのある体である。 【ことば】くが=陸/けだもの=動物/疾き(とき)=速い(「疾し」の連体形)/いづれ=どれ/斑=まだらもよう/なり=〜である 【ひとこと】チーターは時速100km近くで走れるといわれるよ。ただし、全速力で走れるのはほんの短い間だけなんだ。

パンダぱんだ|じゃいあんとぱんだ

問い白き毛と黒き毛とをまとひて、もろこしの山に住み、竹の葉を好みてはむけだものは何ぞ。

【現代語訳】白い毛と黒い毛を身にまとって、中国の山にすみ、竹の葉を好んで食べる動物は何か。 【ことば】まとひて=身につけて(歴史的仮名遣い)/もろこし(唐土)=中国/好みて=好んで/はむ=食べる/けだもの=動物 【ひとこと】ジャイアントパンダは中国の山の竹林にすむクマの仲間。一日の多くの時間を、竹や笹を食べて過ごすんだ。

カンガルーかんがるー

問い腹なる袋に子を入れて育み、跳ねつつ行くけだものは何ぞ。南の海のかなたの国に住む。

【現代語訳】おなかにある袋に子どもを入れて育て、はねながら進む動物は何か。南の海の向こうの国にすんでいる。 【ことば】腹なる=おなかにある(「なり」は場所)/育み(はぐくみ)=育て/つつ=〜ながら/けだもの=動物/かなた=向こう 【ひとこと】オーストラリアにすむ動物だよ。生まれたての赤ちゃんは約2cmととても小さく、お母さんの袋の中で大きくなるんだ。

桃太郎ももたろう

問い川上より流れ来たる桃より生まれ、犬・猿・雉を具して鬼が島へ行きける男の子の名は何ぞ。

【現代語訳】川上から流れてきた桃から生まれ、犬・猿・キジを連れて鬼が島へ行った男の子の名前は何か。 【ことば】より=〜から/来たる=来た/雉(きじ)=キジ(鳥)/具して=連れて/行きける=行った(「けり」は過去) 【ひとこと】桃太郎はきびだんごを分けて、犬・猿・キジを家来にしたよ。岡山県は桃太郎ゆかりの地として知られるんだ。

かぐや姫かぐやひめ

問い竹取の翁の、竹の中より見つけて養ひける女の子、つひには月の都へ帰りにけり。その名は何ぞ。

【現代語訳】竹取のおじいさんが竹の中から見つけて育てた女の子は、最後には月の都へ帰ってしまった。その名前は何か。 【ことば】翁(おきな)=おじいさん/翁の=おじいさんが(「の」は主語)/養ひける=育てた/つひに=最後に(歴史的仮名遣い)/にけり=〜てしまった(完了「ぬ」+過去「けり」) 【ひとこと】『竹取物語』は「物語の出で来はじめの祖(おや)」と『源氏物語』に書かれた、いちばん古い物語といわれるよ。

卑弥呼ひみこ

問いいにしへ、邪馬台国を治めける女王は誰ぞ。占ひにて人を従へけり。

【現代語訳】昔、邪馬台国を治めた女王はだれか。占いで人々を従えた。 【ことば】いにしへ=昔/治めける=治めた(「けり」は過去)/誰(たれ)=だれ/占ひ=占い(歴史的仮名遣い)/従へけり=従えた 【ひとこと】卑弥呼のことは、中国の歴史書『魏志倭人伝』に書かれているよ。占いで国をおさめたといわれるんだ。

徳川家康とくがわいえやす

問い武蔵の国の江戸に幕府を開きて、世をしづめし人は誰ぞ。

【現代語訳】武蔵の国の江戸に幕府を開いて、世の中をしずめた人はだれか。 【ことば】武蔵の国=今の東京都・埼玉県のあたり/開きて=開いて/しづめし=しずめた(「し」は過去「き」の連体形)/誰(たれ)=だれ 【ひとこと】1603年に征夷大将軍になり、江戸幕府を開いたよ。その3年前、関ヶ原の戦いで勝っているんだ。

聖徳太子しょうとくたいし|うまやとおう|うまやどのおう|うまやどのおうじ|うまやどのみこ

問いひとたびに十人の訴へを聞き分け給ひけりと伝はる皇子は誰ぞ。

【現代語訳】一度に十人の訴えを聞き分けなさったと伝わる皇子はだれか。 【ことば】ひとたび=一度/訴へ=訴え・願い(歴史的仮名遣い)/給ひ(給ふ)=お〜になる(尊敬)/けり=過去/伝はる=伝わる/皇子(みこ)=天皇の子 【ひとこと】聖徳太子は十七条の憲法を定め、法隆寺を建てたとされるよ。厩戸王(うまやとおう)とも呼ばれるんだ。

紫式部むらさきしきぶ

問い光る源氏の物語を書きて、中宮彰子に仕へける女房は誰ぞ。

【現代語訳】光源氏の物語を書いて、中宮彰子に仕えた女房はだれか。 【ことば】光る源氏=『源氏物語』の主人公/中宮=天皇のきさき/仕へける=仕えた(「けり」は過去)/女房(にょうばう)=宮中に仕えた女性 【ひとこと】彰子は藤原道長の娘だよ。宮仕えのようすは『紫式部日記』にも書かれているんだ。

清少納言せいしょうなごん

問い「春はあけぼの」と書きはじめける草子の作者は誰ぞ。中宮定子に仕へけり。

【現代語訳】「春は夜明けがいい」と書き始めた随筆の作者はだれか。中宮定子に仕えた。 【ことば】あけぼの=夜明け/書きはじめける=書き始めた/草子(さうし)=書物、ここでは『枕草子』/中宮=天皇のきさき/仕へけり=仕えた 【ひとこと】定子は一条天皇のきさき。作者は、漢詩の知識を生かした受け答えで定子に気に入られたんだよ。

雪だるまゆきだるま

問い雪をまろがして大きなると小さきとを重ね、炭にて目鼻をつけたるものは何ぞ。

【現代語訳】雪を転がして丸め、大きいのと小さいのを重ねて、炭で目や鼻をつけたものは何か。 【ことば】まろがす=転がして丸める/大きなる=大きいもの/小さき(ちひさき)=小さいもの/にて=〜で/つけたる=つけた(「たり」の連体形) 【ひとこと】『枕草子』には、中宮のお庭に雪の山を作らせた話が出てくるよ。外国の雪だるまは三段のものが多いんだ。

新聞紙しんぶんし

問い上より読むも下より読むも同じ音なる名なり。世のできごとを記して、あしたごとにぞ家々に届けらるる。この紙は何ぞ。

【現代語訳】前から読んでも後ろから読んでも同じ音の名前だ。世の中のできごとを書いて、毎朝家々に届けられる。この紙は何か。 【ことば】上より=前から/同じ音なる=同じ音の/記して=書いて/あしたごと=毎朝/ぞ〜らるる=係り結び(「ぞ」を受けて、受け身の「らる」が連体形「らるる」になる) 【ひとこと】「しんぶんし」は前から読んでも後ろから読んでも同じ。こういう言葉を「回文」というよ。

冷蔵庫れいぞうこ

問い食ひ物を冷やして、腐らぬやうにをさめおく箱は何ぞ。今の世には、いづれの家にもあめり。

【現代語訳】食べ物を冷やして、くさらないようにしまっておく箱は何か。今の時代には、どの家にもあるようだ。 【ことば】食ひ物=食べ物/腐らぬ=くさらない(「ぬ」は打ち消し)/やうに=ように/をさめおく=しまっておく(歴史的仮名遣い)/いづれの=どの/あめり=あるようだ(「あるめり」が変わった形) 【ひとこと】電気の冷蔵庫が広まる前は、上の段に氷を入れて冷やす木の冷蔵庫が使われたよ。

年賀状ねんがじょう

問い新しき年の初めに、むつまじき人々へ送りて、年をことほぐ文をば、何状とかいふ。

【現代語訳】新しい年の初めに、親しい人たちへ送って、年を祝う手紙を、何状というか。 【ことば】むつまじき=親しい/ことほぐ=祝う/文(ふみ)=手紙/をば=〜を(強め)/何状とかいふ=何状というか(「か」を受けて文末が連体形になる係り結び) 【ひとこと】元日に届くように年末に出すよ。くじの付いたお年玉付き年賀はがきは、1949年に始まったんだ。

自転車じてんしゃ

問い牛も馬も引かぬに、二つの輪を足にて踏みめぐらして走る車は何ぞ。

【現代語訳】牛も馬も引かないのに、二つの輪を足でふんで回して走る乗り物は何か。 【ことば】引かぬに=引かないのに(「ぬ」は打ち消し)/にて=〜で/踏みめぐらして=ふんで回して/車=乗り物(平安の都では牛の引く牛車が使われた) 【ひとこと】ペダルをこぐ力を、チェーンで後ろの輪に伝えて進むよ。

節分せつぶん|まめまき

問い「鬼は外、福は内」と唱へて豆をまき、鬼をやらふ行事は何ぞ。春の立つ前の日なり。

【現代語訳】「鬼は外、福は内」と唱えて豆をまき、鬼を追い払う行事は何か。立春の前の日である。 【ことば】唱へて=唱えて(歴史的仮名遣い)/やらふ=追い払う/春の立つ=立春になる/なり=〜である 【ひとこと】平安の宮中では、大みそかに「追儺(ついな)」という鬼を追い払う行事があったよ。これが節分の豆まきのもとの一つなんだ。

七夕たなばた

問い天の川をへだてたる彦星と織女は、年にひと夜のみぞ逢ふなる。その夜、笹に願ひごとを書きてつるす行事は何ぞ。

【現代語訳】天の川をはさんで離ればなれの彦星と織姫は、一年に一晩だけ会うそうだ。その夜、笹に願いごとを書いてつるす行事は何か。 【ことば】へだてたる=間にはさんだ(「たり」の連体形)/織女(しょくじょ)=織姫/ひと夜(よ)=一晩/のみ=〜だけ/ぞ〜なる=係り結び(「なる」は伝聞の「なり」の連体形で、〜そうだ)/逢ふ=会う 【ひとこと】七夕は7月7日。平安の宮中でも、星に技芸の上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」が行われたよ。

風呂ふろ|おふろ

問い上には大水みちあふれ、下には大火燃えさかる。これ何ぞ。

【現代語訳】上には洪水があふれ、下では大火事が燃えさかっている。これは何か。 【ことば】大水(おほみづ)=洪水/みちあふれ=いっぱいになってあふれ/燃えさかる=さかんに燃える/これ何ぞ=これは何か 【ひとこと】「上は洪水、下は大火事」という定番のなぞなぞ。昔の風呂は、湯船の下で火をたいてお湯をわかしたんだ。

トマトとまと

問い上より読むも下より読むも同じ名にて、夏の畑に、まろく赤き実をこそ結べ。この菜は何ぞ。

【現代語訳】前から読んでも後ろから読んでも同じ名前で、夏の畑に、丸くて赤い実をつける。この野菜は何か。 【ことば】上より=前から/名にて=名前で/まろく=丸く/実を結ぶ=実をつける/こそ〜結べ=係り結び(「こそ」を受けて文末が已然形「結べ」になる)/菜(な)=野菜 【ひとこと】「トマト」も回文。南アメリカ生まれで、日本には江戸時代に伝わり、はじめは見て楽しむ植物だったんだ。

イルカいるか

問いさかさまに読めば「かるい」となる名の、わたつみに群れ遊ぶ生きものは何ぞ。

【現代語訳】逆から読むと「かるい」になる名前の、海で群れて遊ぶ生き物は何か。 【ことば】さかさま=逆/読めば=読むと(已然形+「ば」)/わたつみ=海/群れ遊ぶ=群れになって遊ぶ 【ひとこと】イルカは魚ではなくクジラの仲間。肺で息をするので、ときどき水面に顔を出すよ。

消しゴムけしごむ

問い人の書きたがへたる文字をこそ消しはべれ。使はるるほどに、わが身はやうやう小さくなりゆく。これは何ぞ。

【現代語訳】人が書きまちがえた文字を消すのです。使われるにつれて、わたしの体はしだいに小さくなっていく。これは何か。 【ことば】書きたがへたる=書きまちがえた/こそ〜はべれ=係り結び(「こそ」を受けて、丁寧の「侍り」が已然形「はべれ」になる)/使はるる=使われる(受け身「る」)/ほどに=〜につれて/やうやう=しだいに/なりゆく=なっていく 【ひとこと】消しゴムは、こすると鉛筆の黒い粉をからめ取って紙からはがすよ。昔はパンで消したこともあるんだ。

布団ふとん

問い昼はたたまれて押し入れにこもりをり、夜になりてこそ広げらるれ。人はその上に臥して寝ぬ。これは何ぞ。

【現代語訳】昼はたたまれて押し入れにこもっていて、夜になってはじめて広げられる。人はその上に横になって寝る。これは何か。 【ことば】こもりをり=こもっている/こそ〜らるれ=係り結び(「こそ」を受けて、受け身の「らる」が已然形「らるれ」になる)/臥して(ふして)=横になって/寝ぬ(いぬ)=寝る(「ぬ」は打ち消しではない) 【ひとこと】ふとんを毎日たたんでしまうのは、せまい部屋を昼はほかのことに使うための工夫だよ。

釘くぎ

問い頭をしたたかに打たるるほどにこそ、いよいよ深く入りてよく働くなれ。木と木とをつなぎとむる、細く尖れる金のもの、これ何ぞ。

【現代語訳】頭を強く打たれるほど、ますます深く入ってよく働くのだ。木と木をつないで止める、細くとがった金属のもの、これは何か。 【ことば】したたかに=強く/打たるる=打たれる(受け身「る」)/こそ〜なれ=係り結び(「こそ」を受けて断定の「なり」が已然形「なれ」になる)/いよいよ=ますます/つなぎとむる=つないで止める/尖れる(とがれる)=とがっている/金(かね)=金属 【ひとこと】金づちで頭を打って板に打ちこむよ。日本の古いお寺には、釘を使わずに木を組んで建てたものもあるんだ。

ポストぽすと|ゆうびんぽすと

問い赤き身に口ひとつありて、人の文をばいくらも呑めども、つゆ吐き出さず。道の辺にぞ立ちたる。これ何ぞ。

【現代語訳】赤い体に口が一つあって、人の手紙をいくらでも飲みこむけれど、少しもはき出さない。道ばたに立っている。これは何か。 【ことば】文(ふみ)=手紙/呑めども=飲みこむけれど/つゆ〜ず=少しも〜ない/道の辺(みちのべ)=道ばた/ぞ〜たる=係り結び(「ぞ」を受けて存続の「たり」が連体形「たる」になる) 【ひとこと】日本の郵便ポストは赤がふつう。郵便局の人が集めに来るまで、手紙をあずかっているんだ。

椅子いす|こしかけ|ちぇあ

問い足は四つありながら、ひと足だに歩まず。人はその上に腰をかけてこそ休むなれ。これ何ぞ。

【現代語訳】足は四本あるのに、一歩さえ歩かない。人はその上に腰を下ろして休むのだ。これは何か。 【ことば】ながら=〜のに/だに=〜さえ/歩まず=歩かない(「ず」は打ち消し)/腰をかけて=腰を下ろして/こそ〜なれ=係り結び(「こそ」を受けて「なり」が已然形「なれ」になる) 【ひとこと】平安の貴族は畳や床に座ってくらしたよ。椅子が家で広く使われるようになったのは、明治時代より後なんだ。

ビスケットびすけっと

問い衣の袋(ポケット)の中にて、うちたたくたびに、ひとつがふたつに増ゆる菓子は何ぞ。

【現代語訳】服の袋(ポケット)の中で、たたくたびに一つが二つに増えるお菓子は何か。 【ことば】衣(きぬ)=着物・服/にて=〜で/うちたたく=たたく(「うち」は語調を整える)/増ゆる=増える(「増ゆ」の連体形)/菓子=お菓子 【ひとこと】童謡「ふしぎなポケット」から生まれたなぞなぞ。本当は、たたいて割れているだけかもしれないね。

金太郎きんたろう

問い足柄の山奥にて熊とすまひをとり、まさかりを肩にかけし童の名は何ぞ。

【現代語訳】足柄山の奥で熊とすもうをとり、まさかりを肩にかついだ子どもの名前は何か。 【ことば】にて=〜で/すまひ=相撲(歴史的仮名遣い)/まさかり=大きなおの/かけし=かけた(「し」は過去)/童(わらは)=子ども 【ひとこと】金太郎は、のちに坂田金時という武士になったと伝えられるよ。平安時代の武将・源頼光の家来の一人なんだ。

ピノキオぴのきお|ぴのっきお

問いそらごとを言へば鼻の伸ぶる、木にて彫りたる人形の名は何ぞ。異国の物語なり。

【現代語訳】うそを言うと鼻が伸びる、木でほった人形の名前は何か。外国の物語である。 【ことば】そらごと=うそ/言へば=言うと(已然形+「ば」)/鼻の=鼻が(「の」は主語)/伸ぶる=伸びる(「伸ぶ」の連体形)/彫りたる=ほった/異国=外国 【ひとこと】イタリアの物語で、ゼペットじいさんが木をほって作った人形だよ。最後には本当の男の子になるんだ。

白雪姫しらゆきひめ

問い毒ある林檎を食ひて息絶えたるやうになり、七人の小さき人に守られし異国の姫の名は何ぞ。

【現代語訳】毒のあるりんごを食べて死んだようになり、七人の小人に守られた外国の姫の名前は何か。 【ことば】林檎(りんご)=りんご/食ひて=食べて/息絶えたる=息が絶えた・死んだ/やうに=ように/小さき人=小人/守られし=守られた 【ひとこと】ドイツのグリム童話のお話。まま母のお妃が「鏡よ鏡」とたずねる場面が有名だよ。

シンデレラしんでれら

問い夜半の鐘の鳴りければ、急ぎ帰るとて、玻璃の沓の片方をぞ階に残しける。この娘の名は何ぞ。

【現代語訳】夜中の鐘が鳴ったので、急いで帰ろうとして、ガラスのくつの片方を階段に残した。この娘の名前は何か。 【ことば】夜半(よは)=夜中/鳴りければ=鳴ったので(已然形+「ば」)/玻璃(はり)=ガラス/沓(くつ)=くつ/階(きざはし)=階段/とて=〜しようとして/ぞ〜ける=係り結び(「ぞ」を受けて「けり」が連体形「ける」になり、「残しける」で結ぶ) 【ひとこと】魔法は夜の12時にとける約束だったよ。王子は残されたくつを手がかりに、娘をさがしたんだ。

ペンギンぺんぎん

問い鳥なれど空を翔らず、氷の海をいとたくみに泳ぐものは何ぞ。

【現代語訳】鳥だけれど空を飛ばず、氷の海をとても上手に泳ぐものは何か。 【ことば】なれど=〜であるけれど/翔らず(かけらず)=飛ばない(「ず」は打ち消し)/いと=とても/たくみに=上手に 【ひとこと】ペンギンのつばさは、水の中で羽ばたくヒレのような形。ほとんどが南半球にすんでいるよ。